墓じまいに伴い、その墓石の撤去・解体がなされますが、その時に発生したがれき等はどのような処理をすればよいのでしょうか?

hakajimai

廃棄物かの判断基準

墓石の撤去・解体に伴い生じたものが、廃棄物であれば廃棄物処理法に従い、処分をしなければ法律違反となり、罰則もあります。

したがって、廃棄物であるかの判断基準を理解しておくことが重要となります。

宗教的感情の対象かどうか

環境省の通知によれば、「古い墓を除去して廃棄しようとする場合、廃棄物として取り扱ってよいか?」との質問に対し、「墓は祖先の霊を埋葬・供養等してきた宗教的感情の対象であるので、宗教行為の一部として墓を除去し廃棄する場合、廃棄物として取り扱うことは適当でない。」との回答がなされています。

宗教的感情の対象であるうち、つまり、先祖供養・宗教的儀式の対象物である限りは廃棄物ではありません。

具体例

例えば、一般的に、墓じまいを行う場合は、墓の供養(閉眼供養)を行ってから石材業者等が撤去し解体を行います。墓の供養を行なった後は、宗教的感情の対象ではなくなったと言えますので、廃棄物として取り扱うということになります。

また、この解釈に同様に従えば、墓の供養が行われず、その辺に放置された墓石は廃棄物として取り扱われないことになります。

一方、永代供養の場合も、墓の供養されておらず、いわば宗教行為の一部として墓を撤去することになるので、撤去後も墓石は宗教的感情の対象であるわけなので、廃棄物として取り扱いません。

墓石は自然石とみなし、産業廃棄物ではないとの判断をする自治体もあります。しかし、廃棄物となりうる可能性がある以上、その判断は慎重に行い、収集運搬・処分しなくてはなりません。

自治体に問合せし、確認した上で処理するのが確実と思います。

産業廃棄物としての品目は何か?

このように墓石が宗教的感情の対象ではなくなった場合で廃棄物として取り扱われるとなった時は、主に産業廃棄物の品目としては「がれき類」として処分します。

その他に、墓じまいに伴い、処理する必要があるものとして考えられるのが、外柵や納骨室(カロート)、花立て、骨壷があります。

それぞれ、外柵や納骨室(カロート)はコンクリート等の「がれき類」、花立ては「廃プラスチックや金属くず」、骨壷は「ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くず」といった品目となります。

なお、少し蛇足ですが、石材製造業から排出される石片の品目は、「ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず」にあたります。

また、砕石業が石材の原料となる岩石(花崗岩等)を採取する場合に、採石場から不良品として排出される岩石の品目は、「鉱さい」にあたります。

処理方法は適切に

墓石の撤去・解体を請け負った元請け業者が排出事業者とみなされます。

廃棄物処理法上、排出事業者が廃棄物を最後まで適切に処理する責任が生じますので、処理責任の所在は石材業者が撤去工事した場合は石材業者ということになります。

石材業者が、自社処理(収集運搬+処分)しない場合、これらの品目の許可をもった産業廃棄物処理業者への委託が必要となるので十分にご注意ください。

当然、委託先業者に廃棄物管理票(マニフェスト)を交付し、適切に処理をしてもらわなければなりません。

 

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