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「成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの」

①「成年被後見人、被保佐人」又は②「破産者で復権を得ない人」がいる時というわけですが、これをここでは2つに分けて説明していきます。

「成年被後見人」「被保佐人」とは?

自己のみでは十分な判断ができない

精神上の障害や知的障害で判断能力を「欠く状況」にあるとして家庭裁判所の後見開始の審判を受けた者を「成年被後見人」と言います。

一方、精神上の障害や知的障害で判断能力が「不十分」であるとして家庭裁判所から保佐開始の審判を受けた者を「被保佐人」と言います。

「成年被後見人」は、「自己の財産を管理・処分できない程度に判断能力が欠けている者」、つまり、自分だけでは日常的に必要な買い物のようなこともできず、誰かに代わってやってもらわなければならないレベルの判断能力の者のことです。

「被保佐人」は成年被後見人より判断能力がありますが、「自己の財産を管理・処分するには、常に援助が必要な程度の者」、つまり、日常的に必要な買い物のようなことは一人でできるが、不動産、自動車の売買など、重要な財産行為は自分ではできない程度の判断能力の者のことです。」

「成年被後見人」「被保佐人」は、判断能力の違いはありますが、自分自身で財産の管理や処分を十分に判断ができない状態にある人と理解してください。

産業廃棄物処理業の事業を行う上でも、当然、排出事業者の方と委託契約を締結するなど、判断能力を必要とする法律行為が求められます。

判断能力が不十分であれば、廃棄物処理法どおりの対応ができない場合もありえます。

そのため、欠格要件として、そのような方に許可を持たせないようにしていると言えます。

判断能力の証明方法

なお、後見や補佐開始の審判は、「成年被後見人」「被保佐人」共に、家庭裁判所へ、本人、配偶者、4親等内の親族、または検察官などが請求することになっています。

そして、請求先の家庭裁判所より「成年被後見人」や「被保佐人」の審判を受けると、東京法務局の後見登記等ファイルに記録されることになります。

「成年被後見人」「被保佐人」に該当していないとの証明は、東京法務局の後見登記等ファイルに記録されていないことで証明されます。

これは、東京法務局が発行する「登記されていないことの証明書」で証明します。

ただし、平成12年3月31日以前には、禁治産者(現在の「成年被後見人」)として本籍地のある市役所に通知されていましたので、平成12年3月31日以前については本籍地のある市役所が発行する「身分証明書」にて証明します。

ちなみに、「登記されていないことの証明書」は登記されていないことの証明書なので、氏名などを適当に書いてしまえば、証明書はいったん出てしまいます。

しかし、当然、これは証明書としては意味がないものになってしまいますので、ご自身で取得する場合は、指示に従い、住民票の内容そのままに請求するようにしてください。

「破産者で復権を得ないもの」とは?

「破産者」「復権」の意味

ここでは、「破産者」「復権」という言葉を理解しましょう。

まず、「自己破産」というものがありますが、これは簡単に言うと、借金をして返せなくなった(支払い不能)時に、借金をチャラにしてもらうという制度です。

この「自己破産」の申し立てを裁判所にして、現在もその手続中の人を「破産者」と言います。

自己破産などは全く関わりがない方ですと、ご存知ない方もいらっしゃるかと思いますが、この「破産者」は、一部の資格が必要な職業に従事できなくなります。例えば、私たち行政書士もそうですし、弁護士、税理士、それから警備員などに従事することができなくなります。

申し立て先の裁判所が免責許可決定すると借金がチャラにしてもらえますが、その時に上記の職業従事への制限が解除されて、法的に元の一般人の状態に戻ります。この状態を「復権」と言います。

つまり、「破産者で復権を得ないもの」とは、自己破産の申し立て中のものの免責許可決定がされていず、借金がチャラになっていないのもそうですが、一部の職業への従事が制限されたまま状態ということです。

言ってみれば、今回の「欠格要件」の話しは、同様に「破産者で復権を得ないもの」については廃棄物関連の事業への従事に制限されているということです。

例えば、自己破産の申し立てをしても免責不許可決定となった場合などは、「破産者で復権を得ないもの」のままの状態なので、当然、廃棄物関連の許可も取得はできません。

復権となるパターンと方法

しかし、復権さえすれば、その職業に従事できます。新規に許可取得をして産業廃棄物関連の事業に従事することも可能となります。

免責許可決定が無事に出る場合は、自己破産の申し立てをしてから3~6ヶ月くらいで復権することができると思っていただくのがよろしいかと思います。

その場合は、3~6ヶ月後くらいに、産業廃棄物関連の事業に従事できる状態に戻ります。

一方、免責許可決定が出て、そこから「復権」するためのよくある方法としては、大きく分けると、①自ら裁判所に申し立て復権してもらう(借金を全額返済する、消滅時効の成立など)、②自己破産手続きから10年を経過するのを待つかの2つの選択をすることになります。

②の場合であれば、復権まで10年まで待つのであれば、その10年間は「破産者で復権を得ない者」に該当しますので、原則として、本籍地の市役所に通知がなされ、破産者名簿の登載されます。

なお、「復権」の状態であることの証明は、本籍地の市役所で発行する「身分証明書」でします。

「成年被後見人、被保佐人」と「破産者で復権を得ないもの」の考え方は同じ

「成年被後見人、被保佐人」と「破産者で復権を得ない人」は、財産管理を適切に行う行為能力がない者であるという視点から見れば、同じようなものと言えます。

これらの欠格要件は、こうした人物を廃棄物処理業の経営に関わらないようにし、不法投棄などにつながらないように産業廃棄物の適正な処理を確保するという考え方にあります。

当然、財産管理を適切に行う行為能力がない破産者自体を欠格要件から外すことはできませんが、免責許可決定後に破産者の資格・権利の制限を解除し、法的に元の一般人の状態に戻す復権のその目的を踏まえると、復権した場合は欠格要件に該当しないとするのが適当と言えます。
 

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