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蛍光灯は、一般家庭のみならず、企業など経済活動全般においても大量に使用され、同時に大量に廃棄処分されています。

大きな商業ビルなどでは、蛍光灯を交換するだけのスタッフがいて、営業時間前に大量の蛍光灯を交換しているなどと言う話も聞きます。

しかし、この私たちの日常に不可欠で廃棄処分をする機会も多い蛍光灯について、その処理方法をきちんと理解している方は少ないように感じられます。

平成29年に廃棄物処理法が改正され、蛍光灯などを含む水銀が含まれる廃棄物に関する規制が強化されました。これらは適切に管理され、厳しい処理基準のもとで処理される必要があるとされました。

ここでは、その蛍光灯の家庭での処理方法とともに、企業等の事業活動において生じた蛍光灯の処理方法を中心に解説していきます。


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蛍光灯の発光原理

後述しますが、蛍光灯を適切処理しないことは様々なリスクを引き起こします。

こうしたリスクをより理解するために、まず蛍光灯の発光原理について理解しましょう。

蛍光灯はその両端に「エミッタ」と言われる部品が取り付けられています。この「エミッタ」は、電流を流すことで高温になり、大量の電子を放出します。

大量に放出された電子はもう一方の電極に移動し、放電がスタートします。

この放電に関して放出された電子は、蛍光灯の内部に不活性ガスとともに封入されている「水銀ガス」とぶつかります。

すると、水銀原子が電子エネルギーを受けると、原子が振動し紫外線が発生します。

蛍光灯の内面にはこの紫外線に反応して発光する蛍光塗料が塗布されています。

発生した紫外線がこの蛍光塗料にぶつかり、この蛍光塗料が発光します。

蛍光灯を適切処理しないことのリスク

前述の説明で詳しい理屈はちょっとわからなかったという方もいらっしゃるかと思います。「こんなものかな」というぐらいの理解ができたら十分です。

それでも一つだけ理解しておいてほしいのが、蛍光灯の中には「水銀」が封入されているということです。

この「水銀」が以下に示すように様々なリスクを生み出します。

環境へのリスク

蛍光管を適切処理せず、内部より水銀が放出されると、考えられるケースの一例として土壌が汚染されてしまいます。

次に、雨が降ると、雨水が土壌より水銀含んで浸み出てきます。当然、その雨水は水銀が含まれているわけなので、その雨水の行き先である河川や地下水が汚染してしまいます。(水質汚染)

人体へのリスク

水銀が上記の水質汚染を通し、様々な環境に排出され、飲料水のみならず、食物連鎖によって動物や野菜などにまで水銀が達してしまいます。

そして、最終的には人が経口摂取してしましまい、体内に水銀が到達してしまうわけです。

水銀は人体に蓄積されることで毒性を発揮します。

具体的には、人体に蓄積されることで金属熱や化学性肺炎などの急性中毒あるいは不眠や精神異常などの慢性中毒を引き起こしてしまうことが考えられます。

よって、適切に処理がなされていない状況が続くことこそがとても危険ということを理解してください。
 
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蛍光灯の処分方法

では、蛍光灯の適切な処理はどのようにすればいいのでしょうか?

一般家庭から排出される時と企業等の事業活動から排出される時では、処理方法が違います。

以下にそれぞれの処理方法について解説していきます。

一般家庭から排出された蛍光灯は「燃えないゴミ」

燃えるごみとして水銀を含むごみを燃やしてしまうと水銀が排ガスに混ざってしまい、それが大気に放出されます。

その結果、市町村で焼却炉を停止するという事態になってしまうケースがあります。燃えるごみ処理全般に重大な影響を及ぼしてしまいます。

したがって、基本的には、一般家庭から排出された蛍光灯は一般廃棄物として「燃えないゴミ」などで各市町村が回収します。

有害ごみや危険ごみとして捨てるなど、その捨て方は各市町村によって様々なので、捨てる前には事前確認するようにしてください。

なお、水銀が含まれていますので、当然、蛍光灯を処分する時は割らずに廃棄するようにしてください。

企業等から排出された蛍光灯は「産業廃棄物」

一般家庭から排出されたものと違い、企業等の事業活動から排出された廃蛍光灯は、産業廃棄物として処分することになります。

この場合、処理責任は企業等の排出事業者であるので、企業等が自己処理をしないと選択した場合は、産業廃棄物処理の許可業者に委託して、蛍光灯を処理してもらうことになります。

蛍光灯の品目

産業廃棄物処理業に委託するにしても、何の品目を取得している許可業者に委託すればいいのと思われるかもしれないので、ご説明いたします。

水銀使用製品産業廃棄物として排出されているのは、この蛍光灯と水銀電池がほとんどです。この2つに共通しているのが2つ以上の廃棄物が混合した不可分一体の「混合廃棄物」であるということです。

蛍光灯の場合は、基本的に、廃プラスチック類、金属くず、ガラスくず・陶磁器くず及びコンクリートくずの混合廃棄物です。混合廃棄物の代表と言えます。

具体的には、

「廃プラスチック」:プラスチックで囲んで絶縁体で囲まれている
「金属くず」:横の接合部分が金属である
「ガラスくず・陶磁器くず及びコンクリートくず」:ガラスでできている

基本的には、前述してきたように多くの蛍光灯は水銀を使用していて、「水銀使用製品」の37の製品にあたるものなので、事業活動で生じ廃棄することになったら「水銀使用製品産業廃棄物」になります。

※「水銀使用製品産業廃棄物」についてはこちらの記事をご覧ください


したがって、この3つの品目について委託先の業者は水銀使用製品産業廃棄物の処理業の許可を持っていることが必要になります。

なお、処理過程で蛍光管内部の蛍光塗料(蛍光体)を分離した場合、汚泥となります。

リサイクルする方法も

レアアースが含まれている

蛍光灯には「水銀」と「蛍光塗料」が含まれていて、蛍光塗料の一部には、レアアースが含まれています。

レアアースは半導体の製造に必要であり、家電製品などの工業製品に多く使われている貴重な資源です。そのため、リサイクルしてレアアースを回収を行うことはとても重要なことです。

その他の部分でも、蛍光管のガラス部分は破砕し、住宅用断熱材や新たな蛍光灯として、口金部分はアルミ原料としてマテリアルリサイクルできます。そして、内部封入している水銀も処理に使った廃水より水銀を回収し、これは再利用されます。

蛍光灯は、水銀を含んでいるため危険な物と言えますが、これは実は再利用できるものです。

また、同時にレアアースという貴重な資源を含んでいるので、ここまでの話しで簡単に廃棄することは「ちょっともったいないなあ」と感じられたのではないでしょうか。

リサイクル方法

一般家庭で「燃えないごみ」、事業活動で産業廃棄物として処理する以外にも、蛍光灯のリサイクル方法としていくつかあります。

まず、各自治体に目を向ければ、リサイクル用回収ボックスを設置して回収している市町村もあります。

また、民間企業に目を向ければ、小売業者やリサイクル業者に引き取ってもらい、リサイクルしてもらうこともできます。

それぞれそういった所に回収してもらえば、リサイクルしてもらえます。

破砕して埋め立てる処理などもありますが、蛍光灯には水銀が含まれているので、土壌汚染につながり、環境も人体にも脅威になりえます。

そうしたリスクを考えれば、蛍光灯はなるべくリサイクルをするという方向が一番の方法かと感じます。

ガラス管を破損させない状態で、水銀回収設備を有する中間処理場に処理を委託します。

 

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