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水銀廃棄物とは

【水銀廃棄物の分類表】

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出典:環境省「水銀廃棄物ガイドライン」

 

「水銀廃棄物」とは、廃水銀等、水銀汚染物、水銀使用製品廃棄物の3つの総称のことを言います。

以前は、上図の下部左から2番目の黒囲みの「水銀汚染物」の特別管理産業廃棄物のみが水銀廃棄物(産業廃棄物)として規制されていました。

その後、2015年の廃棄物処理法施行令等の改正により、水銀廃棄物(産業廃棄物)に廃水銀等、水銀含有ばいじん等、水銀使用製品廃棄物という区分が新たに加わりました。

なお、この以前からあった「水銀汚染物」の特別管理産業廃棄物に加えて、廃水銀(一般廃棄物)、廃水銀等(産業廃棄物)が特別管理廃棄物に該当するようになっています。

こうした流れは、これまでは金属水銀が有価物として取り扱われていたので廃棄物として取り扱われづらかったという事情があるかと思います。

時代も変わり、環境のみならず人体にも影響を与える金属水銀を廃棄物として取り扱う必要性が高まってきたことがこのような規制強化の流れにあらわれてきたのではないかと感じます。

水銀使用製品産業廃棄物

そもそも「水銀廃棄物」のうちの一つ「水銀使用製品産業廃棄物」というのは、どのようなものなのでしょうか?

水銀使用製品産業廃棄物の文言の「水銀使用製品」とは、以下の①~③のいずれかにあたるものです。

① 下記の規則別表第4に指定されているもの

 

② ①の水銀使用製品を組み込む製品
(下の表のうち×印がないものを部品や材料として製造される製品)

 

③ 水銀又はその化合物の使用に関する表示がされている水銀使用製品

 

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出典:環境省「水銀廃棄物ガイドライン」

 

① 規則別表第4に指定されている37種の製品

まず、①について、指定されている数は全部で37あります。これらの製品に該当すれば、「水銀使用製品」となります。

指定された製品に目を通すと、皆さんに関わってくるものとしては「蛍光灯」と「水銀電池」が一番多いのではないでしょうか。

② ①の水銀使用製品を組み込む製品

次に、②についてですが、①の製品(表にある37の製品)を組み込む製品です。

ただし、この37の製品のうち、表の右欄の「×」がある製品の組み込み製品は「水銀使用製品」には 該当しません。「×」がなければ、「水銀使用製品」に該当します。

具体的には、水銀使用製品である「水銀電池」の組込製品は、補聴器 、銀塩カメラの露出計などがあげられます。表の「水銀電池」の欄の右側の「×」がないので、これらも「水銀使用製品」に該当します。

一方、水銀使用製品である「蛍光ランプ」の組込製品は、家庭にもあるような一般照明器具などがあります。こちらは、「蛍光ランプ」の欄の右側の「×」があるので、これらは「水銀使用製品」に該当しません。

③ 水銀又はその化合物の使用に関する表示がされている水銀使用製品

さらに、③は、水銀や水銀化合物の使用が表示されている製品です。

製品本体に水銀が使用されていることを表示する方法は、具体的には、以下のようなものがあげられます。

 

● 日本語による表記(水銀)
● 化学記号(Hg)
● 英語による表記(Mercury)
●※ J-Moss水銀含有マーク(以下の画像がその一例)

 

製品本体にこのような水銀使用の表示がある場合は、「水銀使用製品」となります。

 


【参考】

※J-Mossとは正式名称を「電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示方法」といいます。
「資源有効利用促進法」で特定化学物質を含有する「家電製品およびパソコンの特定7品目」を対象として、6物質の含有表示を製品本体等に実施するものです。

特定7品目:
①パーソナルコンピュータ、②ユニット形エアコンディショナ、③テレビ受像機、④電気冷蔵庫、⑤電気洗濯機、⑥電子レンジ、⑦衣類乾燥機

以上の特定7製品の水銀含有量が0.1wt%を超えている場合には、J-Mossマークを付けることが義務付けられていますが、「Hg」という化学記号を記載するかは任意です。

6物質 :
①鉛、②水銀、③カドミウム、④六価クロム、⑤ポリ臭素化ビフェニール(PBB)、⑥ポリ臭素化ジフェニールエーテル(PBDE)

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J-Moss水銀含有マークの一例
出典:環境省「水銀廃棄物ガイドライン」

 

また、化粧品、ゴム、香料、雷管、花火、銀板写真、検知管、つや出し剤、美術工芸品等で、水銀を使用していることが表示されているものに関しても、それが事業活動に伴い廃棄されるようなことになれば、水銀使用製品産業廃棄物の対象となります。


一方、製品本体に水銀等が使用されていることが表示されていない製品については、以下のような媒体・手段等により、情報収集を行い、水銀等が使用されていることが確認します。

水銀等が使用されていることが確認できたものについては、「水銀使用製品産業廃棄物」と同等に環境上適正に扱うことになります。

 


・購入時の口頭での説明、取引契約書

 
・製品のパッケージ
 
・製品の取扱説明書
 
・製品が掲載されているパンフレット、カタログ
 
・製品製造業者のウェブページ

 


こうした①~③の水銀使用製品が産業廃棄物となった時に「水銀使用製品産業廃棄物」になるわけです。

そして、産業廃棄物であるので、排出事業者はそれを適切に処理する責任があります。

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廃水銀等

「廃水銀等」とは、具体的にどのようなものが該当するかについて解説します。

「廃水銀等」と「等」がついているのは、「廃水銀だけでなく、廃水銀化合物」も含んでいるからです。

【廃水銀等の対象物】

 

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出典:環境省「水銀廃棄物ガイドライン」

 

特定施設(17種)において生じた廃水銀又は廃水銀化合物

廃水銀又は廃水銀化合物まず、上記の表の①の「特定施設において生じた廃水銀又は廃水銀化合物」水銀使用製品が産業廃棄物になったものに封入された廃水銀又は廃水銀化合物を除く)に関してです。

上記の①で箇条書きされた17種の特定施設において生じた廃水銀又は廃水銀化合物(水銀使用製品が産業廃棄物になったものに封入された廃水銀又は廃水銀化合物を除く)が「廃水銀等」に該当します。

一つのポイントとして「17種の特定施設において生じた」廃水銀又は廃水銀化合物ということです。

この特定施設は、例えば、水銀使用製品の製造施設、国や大学等の研究機関、保健所や検疫所などが該当します。

基本的には、これらの施設で排出された廃水銀又は廃水銀化合物が「廃水銀等」の対象になります。

ちなみに、上記の1〜7の施設に関しては、平成28年4月1日から施行、8〜17の施設は平成28年10月1日から特定施設に追加されたものです。

回収した廃水銀

次に、上記の表の②の「水銀もしくはその化合物が含まれている物(一般廃棄物を除く。)又は、水銀使用製品が産業廃棄物になったものから回収した廃水銀」に関してです。

例えば、「水銀もしくはその化合物がが含まれているもの」から回収した廃水銀は、水銀含有ばいじん等から回収した廃水銀等などもそれに該当します。

また、「水銀使用製品が産業廃棄物になったもの」から回収した廃水銀は、使用していた蛍光ランプが産業廃棄物になった時にそこから回収した廃水銀等が該当します。

 

これら「廃水銀」は、廃棄するには、排出事業者が特別管理産業廃棄物として処理責任の元に処理することになります。

 

水銀含有ばいじん等

次に、「水銀含有ばいじん等」について説明します。冒頭で見ていただいた分類表を以下でもう一度見ていきます。

この記事の冒頭で説明したように以前は水銀汚染物の特別管理産業廃棄物(下図の黒枠部分)のみが産業廃棄物として規制されていました。

しかも、それは、施行令に規定された特定施設から排出されたものに限定されていました。

今回の改正で水銀汚染物の区分に「水銀含有ばいじん等」が加わったわけですが、特定施設以外から排出される廃棄物であっても、その排出事業者は「水銀含有ばいじん等」にあてはまる廃棄物を排出した場合は、(普通)産業廃棄物として適切に処理することになりました。

以下で、水銀含有ばいじん等について詳しく見ていきます。

 

【水銀廃棄物の分類】

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出典:環境省「水銀廃棄物ガイドライン」

水銀含有ばいじん等とは

「水銀含有ばいじん等」は、15mg/kgを超える水銀を含有するばいじん、燃え殻、鉱さい、汚泥、廃酸、廃アルカリのことをいいます。

「ばいじん等」という名前からわかるとおり、ばいじん以外の廃棄物の品目も含みますのでご注意ください。

つまり、15mg/kgを超える水銀を含有するばいじん、燃え殻、鉱さい、汚泥、廃酸、廃アルカリを排出する排出事業者に関係する話しとなります。

この水銀含有ばいじん等の対象となる15mg/kgという含有量の基準は、水銀の大気排出について規制を効果的に実施するという観点から設定されているもので、当然、該当する品目も大気に飛散しうるものや揮発性のあるものとなっています。

水銀含有量の基準値を元に処理方法を判断

そして、以下に示すとおり、廃棄物に対して水銀の含有量でこうした基準値を元に、水銀含有ばいじん等に該当するかどうか、水銀の回収が必要になるかの判断がなされます。

 

名称 水銀含有ばいじん等に該当するかどうかの基準 水銀の回収が必要となる濃度
ばいじん、燃え殻、汚泥、鉱さい 15mg/kg以上含有 1,000mg/kg以上含有
廃酸、廃アルカリ 15mg/L以上含有 1,000mg/L以上含有

 

※一定濃度以上の水銀を含有する水銀汚染物は、セメント固化やキレート処理では水銀溶出を抑制できない可能性があるので、あらかじめ水銀を回収する事が義務となっています。


排出事業者の方は、排出廃棄物を指定された分析方法によって分析し、分析表の確認することで、水銀含有量をしっかり把握して置くことが重要です。

分析によって、水銀含有ばいじん等に該当すれば、水銀使用製品廃棄物の時と同様に、排出事業者がそれを適切に処理しなければなりません。

正確な分析とその結果の把握が適切処理につながります。

 

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